【美容】妊娠中・授乳中に控えたいスキンケアと施術

妊娠検査薬で陽性が出た日の夜、洗面所でいつもの美容液を手に取って、ふと止まった。これ、使って大丈夫なのかな。予約していた脱毛やシミ取りはどうしよう。妊娠すると、自分のからだのことだけでなく、おなかの赤ちゃんのことも考えるので、ふだんなら気にしないことが心配になります。
ここでは、妊娠中・授乳中のスキンケアと施術について、一般に言われていることと、迷ったときの確かめ方をまとめました。
妊娠中に肌が変わりやすい理由
妊娠中はホルモンのバランスが大きく変わり、肌にもいろいろな変化が出やすくなります。
| 変化 | よくあること |
|---|---|
| シミ・そばかすが濃くなる | 頬・おでこ・口のまわり。乳首・わき・おなかの正中線も濃くなりやすい |
| 乾燥・かゆみ | おなかが大きくなるにつれ、皮膚がのびて乾きやすい |
| ニキビ | 妊娠初期に増える人がいる |
| 敏感になる | いつもの化粧品がしみる・香りが気になる |
| 妊娠線 | おなか・胸・太ももに線が出ることがある |
多くは出産後に少しずつ落ち着くと言われますが、残る人もいます。シミが濃くなる「肝斑(かんぱん)」については「肝斑の治療(飲み薬・レーザー)」に書いています。
スキンケアで確かめたいこと
ふだんの保湿剤や洗顔料、日焼け止めは、そのまま使えることが多いです。一方で、次のようなものは、使う前に産婦人科の医師や薬剤師に確かめておくと安心です。
| もの | 理由 |
|---|---|
| レチノールなどビタミンA誘導体の化粧品 | 妊娠中は控える、とする考え方がある |
| ニキビの塗り薬・飲み薬 | 妊娠中に使えないものがある |
| シミ取りの飲み薬(トラネキサム酸など) | 妊娠中は医師の判断が必要 |
| 強いピーリング | 肌が敏感で、刺激が出やすい |
| 香りの強い化粧品 | つわりで気分が悪くなることがある |
薬(塗り薬・飲み薬)については、国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」で相談する方法もあります。自分で判断してやめたり、使い続けたりする前に、まず確かめてください。
不安なら「シンプル」に戻す
迷ったときは、ケアをシンプルにするのがいちばん手軽です。
- やさしい洗顔料で洗う
- 使い慣れた保湿剤でうるおす
- 日焼け止めでシミの濃くなりを防ぐ
この3つを中心にして、ほかのものは医師に確かめてから戻していけば、心配ごとが減ります。
延ばすことが多い美容医療・施術
美容医療やサロンの施術は、妊娠中・授乳中は受けられない、または受けないほうがいいとする医療機関やサロンが多いです。
| 施術 | 理由・よくある扱い |
|---|---|
| レーザー・光治療(シミ取りなど) | 妊娠中はシミが濃くなりやすく、ホルモンが落ち着いてからのほうがいいとされることが多い |
| ボトックス・ヒアルロン酸などの注射 | 妊娠中・授乳中は受けられないとする医療機関が多い |
| 医療脱毛・エステ脱毛 | 肌が敏感になる・ホルモンで毛の生え方が変わるため、休むことが多い |
| ホワイトニング(歯) | 妊娠中・授乳中は受けられないとする歯科が多い |
| アートメイク | 妊娠中・授乳中は受けられないとする医療機関が多い |
| 美容点滴・サプリ | 成分を医師に確かめる |
| ヘアカラー・パーマ | 体調やにおいで気分が悪くなることがある。かぶれやすくなることも |
契約中のコースがあるときは、休会や期限の延長ができるか、契約書や医療機関・サロンに確かめてください。契約トラブルについては「脱毛の契約トラブル:解約・返金で困ったら」も役に立ちます。
妊娠線のケア
おなかが大きくなると、皮膚がのびて、細い線(妊娠線)が出ることがあります。
| できること | ポイント |
|---|---|
| 保湿 | おなか・胸・太もも・お尻。クリームやオイルで |
| 急な体重の増加に気をつける | 健診で言われた目安を参考に |
| かゆいところをかかない | かくと肌を傷つける |
「妊娠線が絶対にできない」と言える方法はありません。できてしまった妊娠線は、時間とともに目立ちにくくなることが多いです。
授乳中のこと
授乳中は、まだホルモンが妊娠前とは違う状態で、肌が乾燥しやすい人が多いです。薬や施術は、授乳中でも使えるか・受けられるかを、そのつど確かめます。乳首まわりのケアは、赤ちゃんの口に入ることも考えて選びます。
パートナーと一緒にできること
妊娠中は、からだの変化や肌の変化で、自分の見た目に自信をなくす人もいます。
- 肌の変化は妊娠にともなうもので、本人のせいではないこと
- おなかや背中など、自分で手の届きにくいところの保湿を手伝うこと
- 香りの強いものを近くで使わないこと
- 見た目のことでからかわないこと
パートナーができることは、思っているより多いです。出産後のからだと性の話は「出産・子育て」の記事にもあります。
妊娠中の肌の変化と、気持ち
妊娠中は、からだがどんどん変わっていく時期です。おなかが大きくなるだけでなく、肌にシミができる、乳首や乳輪の色が濃くなる、かゆみが出る、ニキビができる、など、思っていなかった変化に戸惑う人もいます。
こうした変化の多くは、ホルモンの変化によるもので、出産のあとに落ち着いていくことも多いと言われています。ただ、毎日鏡で自分の変化を見ていると、「元に戻るのかな」「パートナーにどう思われるかな」と不安になることもあるでしょう。
妊娠中は、からだも気持ちも疲れやすい時期です。スキンケアは、がんばりすぎず、刺激の少ないものをシンプルに使うことを心がけてみてください。気になる変化があるときは、妊婦健診のときに医師や助産師に相談できます。
妊娠中に起きやすい肌の変化
| 変化 | よくあること |
|---|---|
| シミ・肝斑 | 顔に出やすい。紫外線で濃くなる |
| 色が濃くなる | 乳首・乳輪・わき・おなかの線 |
| かゆみ | 乾燥・おなかの皮膚が伸びる |
| ニキビ | ホルモンの変化 |
| 妊娠線 | おなか・胸・太もも |
強いかゆみが全身に出る場合は、ほかの病気のこともあるので、医師に相談してください。
出産後の肌
| 時期 | よくあること |
|---|---|
| 出産後すぐ | 睡眠不足・疲れで肌が荒れやすい |
| 数か月 | 抜け毛が増える人が多い |
| 授乳中 | 乾燥しやすい |
よくある疑問
妊娠に気づかずにレチノールを使っていた
化粧品として使っていた量で、心配しすぎなくてよいことが多いと言われますが、不安なら産婦人科の健診で伝えてください。薬として処方されたものを使っていたなら、必ず医師に伝えます。
日焼け止めは使っていい?
一般に、日焼け止めは妊娠中にも使われています。妊娠中はシミが濃くなりやすいので、むしろ日焼け止めや帽子での紫外線対策が勧められます。肌が敏感になっているなら、刺激の少ないものを選んでください。
出産後、いつから施術を再開できる?
授乳しているか、からだの回復の様子、施術の種類によって違います。受ける医療機関やサロンで、出産した時期と授乳の有無を伝えて相談してください。
妊娠線が残って、パートナーに見られるのがつらい
妊娠線は、多くの人にできるものです。気になる気持ちを話してみると、相手は気にしていなかった、ということもあります。「明るいところで肌や体型を見られたくない」も読んでみてください。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 薬・化粧品を使っていいか | 産婦人科・薬剤師・妊娠と薬情報センター |
| かゆみ・湿疹 | 産婦人科(皮膚科を紹介されることも) |
| 契約中の施術の休会 | 契約した医療機関・サロン。困ったら消費者ホットライン188 |
妊娠中・授乳中は、足すより「確かめてから」。迷ったら、健診のときにメモを持って聞いてみてください。
- 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」 https://www.ncchd.go.jp/kusuri/
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修) https://w-health.jp/