【SM・ドミサブ】スパンキングの基本の注意

スパンキングは、お尻などを手のひらや道具で軽くたたくことをいいます。SMの中でも知られたもののひとつで、「少しだけ試してみたい」という人も多いですよね。
軽いスパンキングなら、からだへの影響は一時的な赤みくらいです。ただ、たたく場所や強さを間違えると、けがにつながることもあります。このページでは、スパンキングを試す前に知っておきたい注意をまとめました。たたき方の手順や強さの目安は書いていません。
たたいていい場所・避ける場所
| 場所 | 考え方 |
|---|---|
| お尻の、肉の厚いところ | 一般にスパンキングで選ばれる場所 |
| 太ももの裏の、肉の厚いところ | 軽く、短い時間で |
| 腰の上(腎臓のあたり) | 避ける。内臓が近い |
| 背骨・尾てい骨 | 避ける。骨に直接響く |
| 関節(ひざの裏・ひじなど) | 避ける |
| 顔・頭・首 | 避ける |
| おなか・胸 | 避ける。内臓が近い |
| 性器 | 避ける |
お尻でも、骨に近い端のほうや、尾てい骨に近いところは避けてください。
強さは段階で合意する
| 決めること | 例 |
|---|---|
| どこまでの強さか | 「手のひらで軽く」「赤くなるくらいまで」 |
| 回数・時間 | 最初は少なく、短く |
| 使うもの | 手のひらだけ/道具も使うか |
| 痕を残してもいいか | 「痕は残さない」が安心 |
| 止める合図 | セーフワード・声が出ないときの合図 |
強さの感じ方は人によって大きく違います。たたく側の「軽く」と、たたかれる側の「軽く」が同じとは限りません。始めは、たたかれる側が「もう少し強くても大丈夫」と言うまで、上げないでください。
手のひらと道具
| 種類 | 知っておきたいこと |
|---|---|
| 手のひら | たたく側も感覚が分かるので、加減しやすい |
| パドル(板状の道具) | 手より強く伝わりやすい。素材でも感じ方が違う |
| 鞭・細い棒など | 一点に強く当たりやすく、ハードに近づく |
道具を使うと、たたく側に手ごたえが伝わりにくくなり、強さの加減が難しくなります。はじめての人は手のひらから。鞭など細いものの危険は「鞭・ろうそくの危険」にまとめています。
たたかれる側の体調
| こんなときはしない | 理由 |
|---|---|
| お酒をたくさん飲んでいる | 痛みに気づきにくい |
| 血が止まりにくい薬を飲んでいる | あざができやすい |
| 皮膚に傷・湿疹がある | 悪化する |
| 疲れている・体調が悪い | 気分が悪くなりやすい |
| 気分が乗らない | 合意できる状態ではない |
終わったあとに見ること
| 様子 | どうするか |
|---|---|
| 赤みが少しある | 冷やして様子を見る。多くは時間がたつと引く |
| 大きなあざ・強い腫れ | 冷やして安静に。痛みが強いなら医療機関へ |
| 皮膚が切れた・血が出た | 洗って清潔に。深い傷は医療機関へ |
| 尿に血が混じる・腰が痛い | すぐに医療機関へ(腰の上をたたいてしまった場合など) |
| 痛みが何日も続く | 医療機関へ |
医療機関では、どうしてけがをしたのかを正直に話してかまいません。
心のほうも確かめる
スパンキングは、からだだけでなく、心にも強く作用することがあります。子どものころに叩かれた経験がある人は、思いがけずつらい記憶がよみがえることもあります。たたかれる側の様子がいつもと違ったら、すぐに止めて、気持ちを確かめてください。
はじめて試すときの考え方
| 考え方 | 理由 |
|---|---|
| 服や下着の上から | からだへの当たりがやわらぐ |
| 手のひらで、少ない回数 | 加減を知るため |
| たたかれる側が「もう少し」と言うまで上げない | 強さの感じ方は人によって違う |
| 間をあける | 続けてたたくと、痛みがたまりやすい |
| 終わったら肌を確かめる | 赤み・あざを見る |
強さの目安を数字で決めるのは難しいので、たたかれる側の言葉と反応が、いちばんの目安です。
たたく側の手のこと
たたく側も、手を痛めることがあります。指輪や時計を外す、手首をひねらない、同じ手で長く続けない、を心がけてください。爪が長いと、相手の肌を傷つけることもあります。
痕が残ったとき
| 様子 | 目安 |
|---|---|
| 赤み | 多くは数時間〜1日ほどで引くと言われる |
| あざ | 数日〜2週間ほど残ることがある |
| 腫れ・強い痛み | 冷やして安静に。続くなら医療機関へ |
人目につく場所にあざが残ると、仕事や生活に影響が出ることもあります。痕を残さない強さにとどめる、という約束をしておくと安心です。
スパンキングと気持ち
スパンキングは、からだへの刺激だけでなく、「叱られる」「許される」といった気持ちの動きを楽しむ人もいます。
| 気持ちの動き | 気をつけたいこと |
|---|---|
| 叱られる感覚 | 子どものころの体験と重なることもある |
| 許される感覚 | 終わったあとのやさしい言葉で、気持ちがととのう |
| 委ねる感覚 | 相手を信頼できるかが土台 |
気持ちが大きく動くぶん、終わったあとのケアも大事にしてください。
よくある疑問
痕を残したいと言われた
痕が残る強さは、ハードに近くなります。どこまでならいいか、ふたりで慎重に決めてください。痕が人目につく場所にできると、生活に影響が出ることもあります。
たたく側だけど、どのくらいの強さか分からない
分からないうちは、いちばん弱い強さで。相手に「どう?」と聞きながら進めてください。
子どものしつけのようで、いやな気持ちになった
そう感じたなら、合わないということです。無理に続けなくていいんです。
スパンキングのあと、座ると痛い
多くは数日で落ち着きます。痛みが強い、腫れが引かない、皮膚が切れているときは、医療機関で診てもらってください。
道具を使ってみたいと言われた
道具は、手のひらより強く伝わります。使うなら、やわらかい素材のものから、ごく軽く。たたかれる側が望まないなら、手のひらのままでかまいません。
自分がたたかれる側だけど、たたく側も試したい
役割を交代するのもひとつの方法です。たたく側の加減の難しさが分かると、お互いの理解が深まることもあります。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| あざ・腫れ・痛みが続く | 医療機関 |
| 尿に血が混じる・強い腰の痛み | 医療機関・救急(119) |
| 同意のない暴力を受けた | DV相談窓口・警察(#9110) |
軽く、短く、避ける場所を守る。スパンキングは、その3つを守れる範囲で楽しむものです。
- MSDマニュアル家庭版「性的マゾヒズム障害」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-心の健康問題/パラフィリアとパラフィリア症/性的マゾヒズム障害