【SM・ドミサブ】主従の約束(契約)を決めるとき

主従の関係を楽しんでいると、「ふたりの約束を形にしたい」と思うことがあります。どんなときに主従の時間になるのか、呼び方は、決めごとは。書き出して「契約」にする人もいますよね。
このページでは、主従の約束を決めるときに入れていいこと・入れないこと、気をつけたいことをまとめました。
契約を書き出すよさ
| よさ | 中身 |
|---|---|
| 期待がはっきりする | 「そんなつもりじゃなかった」を減らせる |
| NGが見える | してほしくないことを忘れずにすむ |
| 見直しやすい | 書いてあれば、どこを変えるか話しやすい |
| 関係を感じられる | 形にすることで、ふたりのつながりを感じる |
入れていいことの例
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 主従の時間 | ふたりきりのとき・週末だけ・合図をしたときだけ |
| 呼び方 | 主従の時間だけの呼び名 |
| 小物 | 首輪を着けるのはプレイのときだけ、など |
| したいこと・しないこと | 「したい・したくない・迷う」リストの内容 |
| 止める合図 | セーフワード・声が出ないときの合図 |
| アフターケア | 終わったあとにしてほしいこと |
| 見直しの時期 | 3か月ごとに見直す |
| やめ方 | どちらかが「やめたい」と言えば、すぐ終わる |
入れないこと
| 入れないこと | 理由 |
|---|---|
| お金の管理・貢ぐこと | 経済的な支配はDVのひとつ |
| 仕事・学校をやめさせる・選ばせない | 生活の支配 |
| 友人・家族と会わせない | 孤立させることは支配のサイン |
| スマホ・連絡の監視 | 束縛・監視 |
| 外見(服・髪・体型)を細かく決める | 生活の支配になりやすい |
| 罰として痛みや苦痛を与える | 合意を超えた暴力になりやすい |
| 撮影・画像の提供 | あとで脅しに使われるおそれ |
| 「やめられない」「一生」という約束 | いつでもやめられることが前提 |
| 首・呼吸にかかわる行為 | 安全なやり方は無い |
プレイの中だけの決めごとと、暮らしそのものを決める約束は、分けて考えてください。暮らしまで決める約束が増えると、主従ではなく支配になります。
いつでも見直せる・やめられる
契約のいちばん最初に書いておきたいのは、「この約束は、いつでも見直せて、どちらかがやめたいと言えば終わる」ということです。
| 書いておきたいこと | 例 |
|---|---|
| 見直しの約束 | 「何か月かごとに、ふたりで見直す」 |
| やめる権利 | 「どちらかが望めば、理由を問わず終わる」 |
| やめたあと | 「やめたことを責めない」「プライベートなことを人に話さない」 |
法律上の効力は?
主従の契約は、ふたりの約束ごとであって、法律で守られるものとは考えにくい、と一般に言われます。とくに、人の自由をしばる約束や、公の秩序や善良な風俗に反する約束は、法律上は無効とされることがあります(民法90条)。
つまり、「契約したんだから従え」と相手に強いることはできません。逆に、あなたが契約を理由に何かを強いられているなら、従う必要はないということです。
契約を理由に苦しくなったら
| サイン | 考えたいこと |
|---|---|
| 「契約だから」と断れない | 契約より、あなたの気持ちが優先 |
| 守れないと罰を与えられる | 合意を超えた暴力 |
| お金を求められる | 搾取のおそれ |
| やめたいと言うと脅される | 警察・DV相談窓口に相談を |
ひとりで抱えず、相談してください。「ドミサブ・SMとDV・モラハラの違い」も読んでみてください。
書き方の例
契約といっても、かしこまった文書でなくてかまいません。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| はじめに | 「この約束は、ふたりが楽しむためのもの。いつでも見直せて、どちらかが望めば終わる」 |
| 主従の時間 | 「週末、ふたりきりのときだけ」 |
| しないこと | 「痛みは軽いものまで」「撮影はしない」「首にかかわることはしない」 |
| 合図 | 「ストップ」「手で2回たたく」 |
| アフターケア | 「終わったら30分は一緒にいる」「翌日に連絡する」 |
| 見直し | 「3か月ごとに話す」 |
契約のあとも、話し合いは続く
| 続けたいこと | 理由 |
|---|---|
| 定期的に見直す | 気持ちや暮らしは変わる |
| 守れなかったことを責めない | 話し合って変えればいい |
| 相手の気持ちを聞く | 片方だけが我慢していないか |
| 対等な立場で話す時間をとる | 役から離れて本音で話す |
契約は、話し合いのゴールではなく、話し合いを続けるための道具です。
契約が重荷になってきたら
| サイン | どうするか |
|---|---|
| 守れないことが増えた | 内容を減らす・見直す |
| 契約のことを考えると気が重い | いったん休む |
| 相手が契約を盾に責めてくる | 契約より、あなたの気持ちが優先 |
| 関係が楽しくなくなった | やめていい |
契約は、ふたりが楽しむためのものです。重荷になったなら、それは見直すときです。
よくある疑問
契約書は、サインまでしたほうがいい?
形にこだわらなくてかまいません。メモでも、ふたりで話した内容を書き留めておくだけでも十分です。
主の側が、一方的に契約を変えてきた
約束は、ふたりで決めるものです。一方的に変えられたものに従う必要はありません。
契約が終わったあと、書いたものはどうする?
とても個人的な内容です。関係が終わったら消す、どちらが保管するか、を決めておくと安心です。
契約の内容を、ほかの人に知られたくない
保管場所を決めて、人に見られないようにしてください。スマホに残すなら、クラウドの共有の設定も確かめておくと安心です。
相手が「契約にサインしないなら別れる」と言う
それは、合意ではなく、圧力です。サインする必要はありません。関係そのものを見直すサインです。
契約に、プレイの時間以外の決めごとを入れたい
入れるなら、「おやすみの連絡をする」のような、ふたりともうれしい小さなことに。行動やお金を縛る決めごとは入れないでください。
契約を見直したいと言い出しにくい
最初に「見直しの時期」を決めておくと、言い出しやすくなります。決めていなかったなら、「一度、約束を見直したい」と伝えるだけで十分です。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 支配・お金の要求・脅し | DV相談窓口・配偶者暴力相談支援センター・警察(#9110) |
| 契約やお金の法律のこと | 法テラス・弁護士会の法律相談 |
| 関係のことで悩んでいる | カウンセリング |
約束は、ふたりが安心して関係を楽しむためのものです。片方を縛るための道具にしないでください。
- 内閣府男女共同参画局「DV相談窓口」 https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/vaw/consult.html
- 法テラス(日本司法支援センター) https://www.houterasu.or.jp/