【SM・ドミサブ】SMと法律:同意があっても問題になり得ること

ふたりとも同意しているんだから、何をしても自由。SMについて、そう思っている人もいるかもしれません。でも、同意があっても、法律の問題になりうることがあります。逆に、知らないうちに自分が罪に問われる立場になってしまうことも。
このページでは、SMと法律について、一般的に知られていることをまとめました。ここに書いているのは一般論です。具体的な事情は、弁護士や法テラスで確かめてください。
同意があっても問題になりうること
| 行為 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 大きなけがをさせた | 傷害の罪に問われることがある。同意があっても、けがの程度や行為の危なさによっては責任を問われうるとされる |
| 命にかかわる行為で死なせた | 重い罪に問われうる |
| 人に見られる場所での行為 | 公然わいせつなどにあたることがある |
| 撮影・公開 | 本人の同意のない公開は罪になる。撮影時の同意は公開の同意ではない |
| お金のやりとり | 不特定の相手との性的な行為とお金のやりとりは、売春防止法などの問題になりうる |
刑法には、人のからだを傷つけた場合の罪(傷害罪)があります。同意があったとしても、その同意がどんな状況で、どんな行為についてのものかによって、責任が問われるかどうかが変わる、と一般に説明されています。
そもそも同意が無いとき
| 状況 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 同意していない相手への性的な行為 | 性犯罪になる |
| 同意を取り消したのに続けた | 同意が無い状態での行為になる |
| 酔っている・眠っている相手 | 判断できる状態ではなく、同意があったとは言えない |
| 断れない立場を利用した | 同意があったとは言えないことがある |
| 決めていない行為をその場でした | その行為には同意が無い |
2023年の刑法の改正で、同意のない性行為の扱いがはっきりしました。暴行や脅迫だけでなく、アルコールや薬物の影響、眠っている、驚いて固まっている、立場を利用された、などで同意しない意思を示すのが難しい状態での性行為も、処罰の対象になると法務省は説明しています。
「SMだから」「プレイだと思った」は、同意が無いことの言い訳になりません。
撮影について
2023年に施行された法律で、性的な姿を本人の同意なく撮影する行為などが、新しく処罰の対象になりました(撮影罪)。プレイの最中でも、本人の同意なく撮れば罪になりうるし、撮った画像を同意なく人に見せたり公開したりすれば、さらに問題になります。くわしくは「SMと撮影:同意の撤回と画像が広がる危険」へ。
場所について
| 場所 | 考えたいこと |
|---|---|
| ホテル・自宅 | 隣室への音、ほかの人を巻きこまないか |
| 人目のある屋外 | 公然わいせつなどにあたるおそれ。巻きこまれた人への迷惑 |
| 車の中 | 外から見える・事故の危険 |
ふたりだけの楽しみに、ほかの人を巻きこまないことが基本です。
自分が被害にあったら
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 同意のない性的な行為 | ワンストップ支援センター(#8891)・警察 |
| けがをさせられた | 医療機関で診てもらい、警察に相談 |
| 撮影・公開・脅し | 警察(#9110) |
| お金をとられた | 警察・消費者ホットライン(188) |
「自分もSMに同意していたから」と、相談をためらう人もいます。合意していなかったことをされたなら、それはあなたのせいではありません。
自分が加害の側になりそうなとき
| 状況 | すること |
|---|---|
| 相手にけがをさせてしまった | すぐに手当て・必要なら119。そのうえで弁護士に相談 |
| 相手から訴えると言われた | 弁護士・法テラスに相談 |
| 相手の同意があったか自信が無い | 続けない。何があったかを整理して相談 |
お金がからむとき
SMの関係に、お金のやりとりがからむことがあります。
| 場面 | 考えたいこと |
|---|---|
| 個人の相手にお金を払ってプレイをする | 売春防止法などの問題になりうる。トラブルのときに守られない |
| 主従の関係で、お金を渡すように言われる | 搾取・経済的な支配のおそれ |
| 「関係をばらさない代わりに」とお金を求められる | 恐喝にあたりうる |
お金を求められたら、ひとりで払わずに、警察や消費者ホットライン(188)に相談してください。
相手が既婚者・パートナーがいる人のとき
パートナーがいる人と性的な関係を持つと、相手のパートナーから慰謝料を求められることがあります。SMの関係だから、からだの関係が無いから、と思っていても、事情によっては問題になることがあります。気になるときは、弁護士に相談してください。
「同意があった」と言えるために
| 意識したいこと | 中身 |
|---|---|
| 事前に具体的に話し合う | 何をして、何をしないか |
| しらふの状態で確かめる | お酒・薬の影響がないとき |
| 途中でも確かめる | 「いま何色?」 |
| 取り消しを受け入れる | 合図が出たらすぐ止める |
同意は、一度もらえば終わりではなく、プレイのあいだ続けて確かめるものです。
よくある疑問
同意書を書いてもらえば大丈夫?
同意書があっても、大きなけがや命にかかわる行為が許されるとは限りません。同意は、いつでも取り消せるものでもあります。
痕が残るくらいなら問題ない?
どこからが法律の問題になるかは、事情によって変わります。けがの程度が大きいほど、問題になりうると考えてください。
相手が未成年かもしれない
相手が18歳未満の場合は、同意があっても法律の問題になります。ロコペリは20歳以上の人に向けたサイトです。年齢が分からない相手とはかかわらないでください。
法律の相談をすると、SMのことが周りに知られる?
弁護士には、相談の内容を守る義務(守秘義務)があります。法テラスでも、相談の内容が勝手に広まることはないとされています。安心して相談してください。
警察に相談すると、自分も罪に問われそう
被害を受けたなら、まず相談してください。自分の行為に不安があるなら、弁護士に先に相談することもできます。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 法律のこと全般 | 法テラス・弁護士会の法律相談 |
| 性被害 | ワンストップ支援センター(#8891) |
| 撮影・脅し・つきまとい | 警察相談専用電話(#9110) |
| けが | 医療機関・救急(119) |
法律を知ることは、自分を守り、相手を傷つけないための土台です。迷ったら、プレイの前に専門家に聞いてください。
- 刑法(明治40年法律第45号)e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045
- 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」 https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html
- 法テラス(日本司法支援センター) https://www.houterasu.or.jp/