【女性のからだ】ピルと性欲の関係は?

ピルを飲み始めてから、前ほどしたいと思わなくなった。パートナーに誘われても、気持ちが乗らない。「ピルのせいなのかな」「それとも自分が変わったのかな」と、もやもやしている人もいると思います。
逆に、「ピルを飲み始めてから楽しめるようになった」という声もあります。妊娠の心配が減ったから、生理痛が軽くなったから、気持ちに余裕ができた、という人もいるんです。
ピルと性欲の関係は、「必ずこうなる」と言えるものではありません。からだの変化と、気持ちの変化と、生活の変化が重なっていることが多いからです。このページでは、考えられる理由と、気になるときにできることをまとめました。
人によって違う
| 感じ方 | 考えられること |
|---|---|
| 下がった | ホルモンの変化、飲み始めの体調の変化、潤いの減少 |
| 変わらない | 多くの人はこちらとも言われる |
| 上がった | 妊娠の不安が減った、月経の不調が軽くなった |
「下がった」と感じる理由
ピルは、排卵を起こりにくくすることで妊娠を防ぐ薬です。排卵のころに性欲が高まりやすいと感じていた人にとっては、その波がなだらかになることで、「前より気持ちが盛り上がらない」と感じることがあるのかもしれません。
また、飲み始めのころは、吐き気・頭痛・胸の張り・不正出血などが出ることがあります。からだの調子が悪いと、性的な気持ちにもなりにくいですよね。こうした症状は数か月で落ち着くことが多いと言われていて、それと一緒に気持ちが戻る人もいます。
人によっては、潤いが減ったと感じることもあります。濡れにくい→痛い→したくない、という流れになっていることもあるので、潤滑ゼリーで変わるかどうかも試してみる価値があります。
「上がった」と感じる理由
ピルを飲むことで、妊娠への不安がぐっと減る人がいます。「もし妊娠したら」という心配が頭のすみにあると、性行為に集中できないことってありますよね。その不安が軽くなると、気持ちに余裕が生まれるんです。
生理痛や月経前の不調が軽くなって、「からだが楽になったから前向きになれた」という人もいます。
ピル以外の理由が重なっていることも
性欲の変化は、ピルだけが原因とは限りません。ちょうど同じころに、ほかの変化が起きていることもあります。
| 重なりやすいこと | 例 |
|---|---|
| 生活の変化 | 仕事が忙しい・寝不足・引っ越し |
| 気持ちの変化 | ストレス・落ち込み・不安 |
| 関係の変化 | パートナーとの距離感・すれ違い |
| からだの変化 | 年齢・体重・ほかの薬 |
「ピルを飲み始めたから」と決めつける前に、ほかに変わったことがないか、少し振り返ってみるのもいい方法です。
記録をつけてみる
自分の変化を知るには、記録がいちばんです。月経管理のアプリや手帳に、次のようなことを一言メモしておくと、相談するときにも役立ちます。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| ピルを飲み始めた日 | 何シート目か |
| 体調 | 吐き気・頭痛・むくみ・出血 |
| 気分 | 落ち込み・イライラ・普通 |
| 性的な気持ち | したい・どちらでもない・したくない |
数か月分の記録があると、「飲み始めの一時的なものだったのか」「ずっと続いているのか」が見えてきます。
相談のしかた
「飲み始めてから気持ちが向かない」と処方した医師に伝えれば、様子を見るか、種類を変えるかを一緒に考えてもらえます。自己判断で急にやめると、避妊の効果がなくなるので注意が必要です。
性欲のことを医師に話すのは恥ずかしいかもしれません。でも、ピルの副作用や合う・合わないを考えるうえで、大事な情報なんです。「気分の変化」「性的な気持ちの変化」と、少し言いかえて伝えるだけでも十分です。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| いつから | 「飲み始めて2か月くらいから」 |
| どんな変化 | 「したいと思うことが減った」「濡れにくくなった」 |
| ほかの症状 | 「気分が落ち込みやすい」「頭痛がある」 |
| 希望 | 「続けたいけど、種類を変えられるなら試したい」 |
ピルにはいくつも種類があり、含まれる成分の種類や量が違います。変えることで、合うものが見つかることもあるんです。
パートナーに伝えるとき
性欲が下がったことを、パートナーにどう伝えるか迷う人もいますよね。「嫌いになったと思われたらどうしよう」と心配になるかもしれません。
- 「ピルを飲み始めてから、からだの調子が変わったみたい」
- 「あなたが嫌なわけじゃなくて、気持ちが追いつかないの」
- 「医師に相談してみるね」
理由が分かると、相手も安心できます。性行為以外のふれあいの時間を増やすなど、2人で過ごし方を工夫することもできます。
よくある疑問
ピルをやめたら性欲は戻る?
ピルをやめると、多くの場合は排卵が戻ると言われています。ただ、やめた日から避妊の効果はなくなるので、妊娠を望まないなら別の方法を用意してからにしてください。
性欲が下がるならピルは飲まないほうがいい?
下がらない人も多く、上がったと感じる人もいます。避妊や月経の悩みが軽くなるという利点もあるので、気になるなら医師と相談しながら、合う種類を探すのが現実的です。
治療のためのピル(LEP)でも同じ?
成分の考え方は近いので、同じように感じ方には個人差があります。気になる変化があれば、処方した医師に伝えてください。
ピルの種類で変わることがある
ひとことで低用量ピルといっても、いくつかの種類があります。含まれる成分の種類や量、飲み方が違い、からだへの合い方もそれぞれなんです。
| 違いがあるところ | 内容 |
|---|---|
| ホルモンの種類 | 成分の種類が違うと、副作用の出方も変わることがある |
| ホルモンの量 | 1錠に含まれる量が少ないもの・段階的に変わるものなど |
| 飲み方 | 21日+休薬・28日続ける・長く続けて飲むなど |
「最初のピルが合わなかったから、もうピルはやめよう」と決める前に、種類を変えて試すという選択肢があります。自分の感じ方を医師に伝えることで、ちょうどいいものが見つかることもあるんです。
性欲が下がったときの過ごし方
気持ちが向かない時期があっても、パートナーとの距離が離れてしまうわけではありません。性行為だけが、2人のつながりではないからです。
| できること | 例 |
|---|---|
| 性行為以外のふれあい | 手をつなぐ・ハグ・マッサージ・一緒に眠る |
| 話す時間 | 気持ちの変化を言葉で伝える |
| タイミングを選ぶ | 体調のいい日、時間に余裕のある日 |
| 潤いを助ける | 潤滑ゼリーで痛みを減らす |
「したくない日はしない」と2人で決めておくと、誘う側も誘われる側も気が楽になります。気持ちが戻ってきたときに、自然に再開できる関係のほうが、長い目で見て心地いいはずです。
気分の落ち込みが強いとき
ピルを飲み始めてから、気分の落ち込みが強くなった、何もする気が起きない、という場合は、性欲だけの問題ではないかもしれません。我慢せずに、処方した医師に早めに相談してください。必要に応じて、ほかの専門の窓口を紹介してもらえます。
2人で受け止めるために
ピルを飲んでいるのは女性でも、避妊の効果を受けているのは2人です。性欲の変化があったときも、「飲んでいる側の問題」にせず、2人で受け止められるといいですね。
飲み忘れが気になって楽しめないとき
「ちゃんと飲めているかな」という不安が、気持ちのブレーキになることもあります。アラームやピルケースで飲み忘れを防ぐ工夫をすると、安心感が戻ってくることがあります。
まとめ
ピルを飲んで性欲が変わるかどうかは、人によって違います。下がったと感じる人も、上がったと感じる人も、変わらない人もいる。ほかの理由が重なっていることもあります。記録をつけて、気になるときは医師に相談する。自己判断でやめずに、合う方法を一緒に探してもらうのが近道です。
- ヘルスケアラボ「避妊」 https://w-health.jp/sexual_concerns/anticonception/
- 日本産科婦人科学会「OC・LEPガイドライン2020年度版」(Minds ガイドラインライブラリ) https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00641/