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【女性のからだ】骨盤底筋とは?尿もれとの関係と、体操の基本

ロコ
ロコの結論
くしゃみをした瞬間に「あっ」となったこと、ありますよね。あれは気のゆるみではなくて、骨盤の底でからだを支えている筋肉がゆるんでいるサインなんです。体操で改善が期待できるとされていますが、正しく続けるのがむずかしい運動でもあります。困っているなら、がまんせず泌尿器科・女性泌尿器科に相談してください。

笑ったとき。なわとびをしたとき。重い買い物袋を持ち上げたとき。ほんの少し、もれる。

誰にも言えずに、ナプキンでやりすごしている人は多いと思います。年のせい、産んだから仕方ない、と片づけてしまいがちですよね。

その「仕方ない」の正体が、骨盤底筋です。名前は雑誌や動画でよく見かけるのに、どこにあって何をしているのかは、意外と知られていません。「締まりがよくなる」「感度が上がる」といった話と一緒に語られることも多い場所です。公的な資料で言えることと、言えないことを分けて書きます。

早見表

知りたいこと 公的な資料の説明
どこにある? 骨盤の底。子宮・膀胱・直腸を下から支える筋肉や靭帯のあたり
ゆるむきっかけ 出産・加齢。重いものを持つこと、いすに座る生活で下半身の筋肉を使わないことも
ゆるむと? お腹に力が入ったときの尿もれ。進むと、子宮などが下がってくること(骨盤臓器脱)も
体操の効果 軽い腹圧性尿失禁では改善が期待できる
何科? 泌尿器科・女性泌尿器科

骨盤底筋は、どこで何をしている?

骨盤は、腰のまわりを囲む骨の輪です。輪の下は開いていて、そのままだと中の臓器が落ちてしまいます。そこをハンモックのようにふさいでいるのが、骨盤底の筋肉です。

ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)は、骨盤の中にある子宮・膀胱・直腸は、筋肉や靭帯などに支えられて位置を保っている、と説明しています。尿道・腟・肛門は、この筋肉の層を通って外につながっています。尿や便をがまんするときに締まるのも、このあたりです。

ふだんは意識しない筋肉です。腕や足のように目で見えないので、動かしている感覚もつかみにくい。それが、あとで出てくる「体操がむずかしい」理由になります。

ゆるむと、何が起こる?

お腹に力が入ったときの尿もれ

日本泌尿器科学会は、重い荷物を持ち上げたとき、走ったりジャンプしたりしたとき、せきやくしゃみをしたときなど、お腹に力が入ったときに尿がもれるものを「腹圧性尿失禁」と呼んでいます。骨盤底筋群がゆるむために起こり、加齢や出産をきっかけにあらわれる、という説明です。

数字も出ています。同じページによると、尿失禁は40歳以上の女性の4割以上が経験していて、週に1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。

めずらしいことではない、というのがまず大事です。そして、多いからといって、がまんしつづけるものでもありません。

きっかけが出産と加齢なので、年配の人だけの話でもありません。20代でも、出産のあとに経験する人はいます。

臓器が下がってくる(骨盤臓器脱)

支えがさらに弱くなると、子宮や膀胱、直腸が下がってくることがあります。ヘルスケアラボは、進むと子宮が腟から出てくることがあり、歩きにくさや感染のおそれにつながる、と書いています。

お風呂で股のあたりに丸いものが触れる。夕方になると何かがはさまっているように感じる。そういうときは、体操で様子を見るより、先に受診してください。

骨盤底筋体操の基本

日本泌尿器科学会は、軽い腹圧性尿失禁の場合、骨盤底筋訓練で尿道のまわりの筋肉や骨盤底筋群を強くすることで、改善が期待できる、としています。

ヘルスケアラボが紹介している目安は次のとおりです。

項目 内容
動き 肛門を締めるようにして、骨盤底筋を縮める
回数 1セット5〜10回を、1日5〜10セット
期間と結果 12週間続けると、約40%に尿失禁の改善がみられる
注意 実際の指導が必要

読み方に気をつけたい数字です。約40%は「続けた人のうち、改善がみられた割合」。全員に効くという意味ではありませんし、3か月ほど続けてようやく、という話でもあります。

なぜ「指導が必要」なのか

締めているつもりで、お腹やおしり、太ももに力が入っているだけ。あるいは、逆にいきんで下に押し出してしまっている。自己流だと、こういうことが起こりやすいと言われています。

感覚のつかみ方としては、おならをがまんするときのように肛門をきゅっと引き上げる、という説明がよく使われます。息は止めない。お腹はふくらませない。締めたら、同じだけゆるめる。

合っているか自信が無いときは、泌尿器科・女性泌尿器科や、産後なら出産した施設で聞くことができます。数分の確認で、やり方が変わることもあります。

やらないほうがよいとされること

排尿の途中で尿を止める練習は、感覚をつかむ方法として紹介されることがあります。習慣にすると排尿のリズムに影響するおそれがある、と説明されることが多い方法です。今回確かめた2つのページには記述がなかったので、ここでは「くり返し行う練習にはしない」とだけ書いておきます。

性の気持ちよさとの関係で、言えること・言えないこと

骨盤底筋の話は、「鍛えると締まりがよくなる」「感じやすくなる」「中イキしやすくなる」といった言葉とセットで広まっています。

今回確かめた日本泌尿器科学会とヘルスケアラボのページが、体操の効果として書いているのは、尿もれの改善です。性の感じ方がよくなる、とは書かれていません。

海外も含めれば、関係を調べた研究はあると言われています。ただ、このページではその中身を確かめていません。「鍛えれば感度が上がる」とは言い切らない、というのが今の立場です。

言えるのは、次のことくらいです。

  • 骨盤底筋は、腟のまわりを通っている筋肉。性行為のときにも動いている
  • 自分で締める・ゆるめるの感覚がつかめると、からだの状態に気づきやすくなる
  • もれる心配が減れば、行為のときの緊張も減る

「締まり」という言葉で、自分のからだを採点しないでください。相手に言われて気にしているなら、それは筋肉の問題ではなく、言い方の問題です。

締めすぎ、という逆の困りごと

骨盤底筋は、強ければ強いほどよいわけではありません。力が抜けにくいことで、挿入のときに痛む人もいると言われています。ヘルスケアラボの同じページでも、性交のときの痛みに触れられています。

痛みがある人は、鍛える前に「性交痛があるときの相談先」を読んでみてください。必要なのは、締める練習ではなく、ゆるめる練習かもしれません。

道具や機器について

骨盤底筋を鍛えるとうたうボールや機器、座るだけの椅子型の施術も見かけます。医療機関で使われる機器もあれば、効果がはっきりしない商品もあります。

このページでは、特定の商品の効果については書きません。試すなら、腟に入れるものは素材と洗い方を確かめる。痛み・出血・違和感が出たらやめる。尿もれが目的なら、先に受診して、体操で足りるかどうかを聞く。この順番で考えてみてください。

よくある疑問

出産していなくても、ゆるむ?

資料が挙げているきっかけは、出産と加齢が中心です。ほかに、重いものを持つこと、下半身の筋肉を使わない生活も挙げられています。出産の経験が無くても、起こることはあります。

何歳から始めればいい?

決まった年齢はありません。尿もれが気になったときが、始めどきです。

男性にも骨盤底筋はある?

あります。ただ、今回確かめたのは女性向けのページで、男性についての公的な説明は確認していません。男性の尿もれも、泌尿器科で相談できます。

どのくらいもれたら受診?

量の基準はありません。日本泌尿器科学会は、がまんせずに泌尿器科を受診しましょう、と呼びかけています。ナプキンや尿もれパッドが手放せない、外出や運動をためらうようになった、というときは、十分に相談してよい状態です。

相談できるところ

  • 泌尿器科・女性泌尿器科:尿もれ・頻尿・何かが下がってくる感じ
  • 婦人科:産後の回復・性交のときの痛み・更年期の変化
  • 出産した施設の産後の相談:産後の尿もれ・体操のやり方

まとめ

骨盤底筋は、骨盤の底で臓器を支え、尿や便をがまんするときにはたらく筋肉です。出産や年齢でゆるむと、せきやくしゃみで尿がもれやすくなります。体操で改善が期待できますが、正しいやり方で数か月続けることが前提で、全員に効くわけではありません。性の感じ方については、公的な資料の範囲では言い切れない。困っているなら、ひとりで体操を続けるより、泌尿器科で一度聞いてみるのが近道です。

出典

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