【性教育の基本】性器ヘルペスとは?再発とのつきあい方

性器のあたりがむずむずして、数日たったら小さな水ぶくれがいくつもできた。触るとひりひり痛くて、トイレのたびにしみる。熱っぽさまで出てきた。そんな症状が出たとき、何が起きているのか分からなくて、こわくなりますよね。
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。口のまわりにできる「口唇ヘルペス」と同じ仲間のウイルスで、一度感染すると、ウイルスがからだの神経の奥にひそみ続けます。そのため、治療で症状がおさまったあとも、疲れたときなどに再発することがあります。このページでは、症状、治療、そして再発とのつきあい方をまとめました。
原因とうつり方
国立健康危機管理研究機構の解説では、性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの1型(HSV-1)と2型(HSV-2)によって起こるとされています。
| ウイルス | よく知られている場所 |
|---|---|
| 1型 | 口のまわり(口唇ヘルペス)。口を使う行為で性器にうつることもある |
| 2型 | 性器 |
うつるのは、性器や口、肛門などの粘膜や皮膚がふれ合うことによってです。口唇ヘルペスのある人と口を使う行為をして、性器にうつることもあります。
注意したいのは、症状がないときでもうつることがある点です。国立健康危機管理研究機構の解説では、症状がなくても、性器の粘膜やだ液などの分泌液の中にウイルスがいる場合があり、それが感染のもとになるとされています。
初めてのときの症状
国立健康危機管理研究機構の解説では、潜伏期間は2〜21日程度(多くは3〜7日)とされています。初めて症状が出るときは、症状が強く出ることが多いと言われています。
| 初めてのときによくある症状 | |
|---|---|
| 性器のあたりの不快感・かゆみ | 水ぶくれが出る前のサインのことも |
| 痛みのある小さな水ぶくれ | いくつか集まってできることが多い |
| 水ぶくれがやぶれたただれ(潰瘍) | 強く痛むことがある。排尿のときにしみる |
| 発熱、だるさ | からだ全体の症状が出ることも |
| 足のつけ根のリンパ節のはれ | 感染したところに近いリンパ節がはれて痛むことがある |
排尿のときの痛みが強くて、トイレに行くのがつらいほどになる人もいます。我慢せず、早めに受診してください。
再発のときの症状
一度感染したウイルスは、からだの中にひそみ続け、疲れ、睡眠不足、ストレス、生理、ほかの病気などで免疫が落ちたときに、再び症状を起こすことがあります。
国立健康危機管理研究機構の解説では、再発のときは症状が軽く、1週間以内に治まることが多いとされています。
| 初めてのとき | 再発のとき | |
|---|---|---|
| 症状の強さ | 強く出やすい | 軽いことが多い |
| 治まるまで | 長めになりやすい | 1週間以内のことが多い |
| 前ぶれ | はっきりしないことも | ぴりぴり・むずむずなどの前ぶれを感じる人もいる |
再発を何度か経験すると、「そろそろ来そう」という前ぶれが分かるようになる人もいます。その段階で受診したり、薬を使い始めたりすると、症状を軽く済ませやすいと言われています。
治療
性器ヘルペスは、抗ウイルス薬で治療します。国立健康危機管理研究機構の解説でも、抗ウイルス薬による治療が行われるとされています。
| 治療のときのポイント | 理由 |
|---|---|
| 早めに受診する | 薬は、症状が出て早いうちに始めるほうが効果を期待しやすいと言われる |
| 薬は指示どおりに使う | 途中でやめず、決められた期間使う |
| 症状がある間は性行為を控える | うつしやすい時期 |
| 再発をくり返すなら医師に相談する | 再発の多い人向けの治療の方法を相談できる |
抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑える薬で、からだの中のウイルスを完全になくすものではありません。そのため、治療で症状がおさまっても、再発の可能性は残ります。だからこそ、「再発したらどうするか」をあらかじめ医師と決めておくと、慌てずにすみます。
受診先
| 受診先 | 特徴 |
|---|---|
| 婦人科 | 女性の性器の症状 |
| 泌尿器科 | 男性の性器の症状 |
| 皮膚科 | 皮膚の症状として診てもらえる |
| 性感染症を扱う医療機関 | 男女とも |
検査は、水ぶくれやただれの部分を綿棒でぬぐって調べる方法などがあります。見た目だけでは、ほかの病気と区別がつきにくいこともあるので、自己判断せずに受診してください。
パートナーに伝えるとき
性器ヘルペスと分かったとき、いちばん悩むのが「パートナーにどう伝えるか」かもしれません。からだの中にウイルスが残るという性質があるので、これからの関係にも関わってきます。
| 伝えるときのヒント | 理由 |
|---|---|
| 病気の性質を一緒に知る | 再発すること、症状がないときもうつることがある、という事実を共有する |
| 誰からうつったかを決めつけない | 症状が出ないまま何年もたってから初めて症状が出ることもある |
| 予防の方法を一緒に決める | 症状があるときは控える、コンドームを使う、など |
ヘルペスは、症状が出ないまま感染していることもあるので、「いつ、誰から」がはっきりしないことが多いんです。責め合いではなく、これからどう予防していくかを話し合ってください。
妊娠とヘルペス
国立健康危機管理研究機構の解説では、妊娠中にヘルペスを発症し、出産のときに赤ちゃんにうつると、新生児ヘルペスになることがあるとされています。
ヘルペスにかかったことがある人が妊娠したら、妊婦健診のときにそのことを伝えてください。出産の方法も含めて、医師が考えてくれます。
予防
| 予防の方法 | ポイント |
|---|---|
| 症状があるときは性行為を控える | ウイルスが多く出ている時期 |
| コンドームを使う | リスクを下げる。ただし覆われていない部分からうつることもある |
| 口唇ヘルペスがあるときは口を使う行為を控える | 口から性器へうつることがある |
再発とつきあっていくために
再発すると、「またか」と落ち込んでしまいますよね。でも、自分のからだのパターンを知ることで、上手につきあっていくことはできます。
疲れがたまったとき、生理の前、季節の変わり目など、自分が再発しやすいタイミングを記録しておくと、前ぶれに早く気づけるようになります。睡眠や休息をとることも、からだを守ることにつながります。
診断を受けたあとの気持ち
「一生ウイルスが残る」と聞くと、ショックを受けて、自分が汚れてしまったように感じる人もいます。新しい恋愛を始めるのがこわくなる人もいます。
でも、ヘルペスのウイルスは、口唇ヘルペスも含めて、とても多くの人が持っているものだと言われています。症状が出ていないだけで、自分が持っていることを知らない人も多いんです。診断を受けたことは、あなたの価値とは何の関係もありません。気持ちのつらさが続くなら、受診先の医師や、信頼できる人に話してみてください。
ヘルペスはお風呂やタオルでうつる?
主に性的な接触でうつる病気です。ただ、症状があるときは、患部にふれたタオルを共有しないなど、念のため気をつけておくと安心です。
口唇ヘルペスがある。キスや口を使う行為は?
症状があるときは、キスや口を使う行為を控えてください。口唇ヘルペスのウイルス(1型)が、性器にうつることがあります。
一生、性行為はできない?
そんなことはありません。症状があるときは控え、コンドームを使うなどの予防をしながら、性生活を続けている人はたくさんいます。
最後に
性器ヘルペスは、ウイルスがからだに残るために再発することがある性感染症です。抗ウイルス薬で症状を抑えられ、再発は軽いことが多いと言われています。症状がないときもうつることがあるので、パートナーと一緒に予防を考えてください。1人で抱えず、受診して、つきあい方を一緒に考えてもらいましょう。
- 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「性器ヘルペスウイルス感染症」 https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/genital-herpes/index.html
- 厚生労働省 HIV検査・相談「性感染症」 https://www.mhlw.go.jp/hivkensa/sti/