【性教育の基本】尖圭コンジローマとHPVとは?いぼの症状とワクチン

お風呂で、性器や肛門のまわりに、小さなぶつぶつがあるのに気づいた。痛くもかゆくもないけれど、前はなかった気がする。少しずつ増えているようにも見える。誰にも聞けずに、画像検索をしてはこわくなって閉じる。そんな経験をした人もいるかもしれません。
尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスによる性感染症です。HPVという名前は、子宮頸がんの原因として聞いたことがある人も多いと思います。このページでは、尖圭コンジローマの症状と治療、そしてHPVとワクチンのことをまとめました。
尖圭コンジローマとは
国立健康危機管理研究機構の解説では、尖圭コンジローマは、HPVの6型・11型などが原因となるウイルス性の性感染症とされています。
性行為で、性器や肛門の皮膚・粘膜がふれ合うことでうつります。国立健康危機管理研究機構の解説では、HPVに感染してから発症するまでに、数週間から3か月程度かかるとされています。そのため、いつの性行為でうつったのか、はっきりしないことも多いんです。
どんな症状?
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| できる場所 | 性器、肛門のまわり、肛門の中など |
| 見た目 | 薄いピンク〜茶色っぽい、先のとがったいぼ。乳頭のような形、とさかのような形、カリフラワーのような形と表現される |
| 感じ方 | 痛みやかゆみがないことが多い。違和感やかゆみ、痛みを感じる人もいる |
| 女性の場合 | おりものが増える、外陰部にできものを触れる、といったことで気づくこともある |
厚生労働省の解説でも、性器や肛門にカリフラワーのようないぼ・できものができ、通常は痛みやかゆみがないとされています。痛くないぶん、気づくのが遅れたり、放っておいたりしがちです。
いぼは、放っておくと数が増えたり、大きくなったりすることがあります。見つけたら、早めに受診してください。小さいうちのほうが、治療の負担も小さくすみやすいと言われています。
受診するのが恥ずかしいとき
性器や肛門のいぼを人に見せるのは、とても勇気がいりますよね。でも、婦人科・泌尿器科・皮膚科の医師にとって、尖圭コンジローマは珍しくない病気です。見た目で驚かれることも、責められることもありません。
受付で症状を細かく言いたくなければ、「できもののことで相談したい」と伝えるだけでもかまいません。診察のときに、医師にくわしく話せば十分です。
治療
尖圭コンジローマは、いぼを取り除く治療が中心です。国立健康危機管理研究機構の解説では、次のような方法が挙げられています。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 切除 | いぼを切り取る |
| レーザー | 炭酸ガスレーザーでいぼを焼いて取る |
| 電気メス | 電気で焼き切る |
| 凍結療法 | 液体窒素でいぼを凍らせて取る |
| 塗り薬 | いぼに塗って治療する |
どの方法がいいかは、いぼの場所、大きさ、数によって変わります。医師と相談して決めてください。塗り薬は自宅で続けるもの、切除やレーザーは医療機関で行うもの、と通い方も違います。治療のあいだに痛みが出ることもあるので、気になることは遠慮せず聞いてください。
再発しやすい
尖圭コンジローマで知っておきたいのが、再発しやすいことです。いぼを取り除いても、周りの皮膚にウイルスが残っていて、また出てくることがあります。
国立健康危機管理研究機構の解説では、治療が終わったあとも少なくとも3か月は、しっかり経過を見て、再発を早く見つけることが必要とされています。「取ったから終わり」ではなく、決められた時期に受診することが大切なんです。
受診先
| 受診先 | 特徴 |
|---|---|
| 婦人科 | 女性の性器のいぼ |
| 泌尿器科 | 男性の性器のいぼ |
| 皮膚科 | 皮膚のいぼとして診てもらえる |
| 肛門科 | 肛門のまわり・中のいぼ |
見た目が似ているほかのできものもあるので、自己判断で市販のいぼの薬を使ったりせず、受診して確かめてください。
HPVは、ほかの病気の原因にもなる
HPVには、たくさんの型があります。尖圭コンジローマの原因になる型のほかに、がんの原因になる型もあります。厚生労働省のQ&Aでは、HPVが原因になる病気として、次のものが挙げられています。
| HPVが関係する病気 | |
|---|---|
| 子宮頸がん | 女性 |
| 腟がん、外陰がん | 女性 |
| 陰茎がん | 男性 |
| 肛門がん、中咽頭がん | 男女とも |
| 尖圭コンジローマ | 男女とも |
尖圭コンジローマの原因になる6型・11型は、がんの原因になる型とは別のものです。コンジローマになったからといって、がんになるわけではありません。ただ、HPVという同じ仲間のウイルスが性行為でうつることは知っておいてください。
HPVワクチン
HPVワクチンは、HPVの感染を防ぐワクチンです。厚生労働省のQ&Aでは、2026年4月から公費で受けられるHPVワクチンは9価ワクチン(シルガード9)だけになると案内されています。9価ワクチンは、がんの原因になる型に加えて、尖圭コンジローマの原因になる6型・11型も防ぐ対象に含んでいます。
| 対象 | いまの扱い |
|---|---|
| 女性 | 決められた年代の女性は、定期接種として公費で受けられる。対象の年代は厚生労働省のページで確認できる |
| 男性 | 定期接種ではない。国の審議会で定期接種にするかどうかの議論が続いている(2026年7月時点) |
男性の接種については、MSDの声明で、2026年7月の国の審議会で結論が出ず、議論が続いていると紹介されています。いまは、希望する人が費用を負担して受ける任意接種の扱いです。接種できる医療機関や費用は、医療機関に確かめてください。
ワクチンは、すでに感染しているHPVを治すものではありません。感染する前に接種するほど、予防の効果が期待できるとされています。
予防
| 予防の方法 | ポイント |
|---|---|
| コンドームを使う | リスクを下げる。ただし覆われていない部分からうつることがある |
| いぼがある間は性行為を控える | うつしやすい |
| パートナーも診てもらう | パートナーにいぼができていることもある |
パートナーに伝えるとき
尖圭コンジローマは、感染から発症まで数か月かかることがあるので、いつ、誰からうつったのかは、はっきりしないことが多いんです。パートナーにも、いぼができていないか診てもらうようお願いしてください。
責め合うより、2人とも診てもらって、再発のときにどうするかを一緒に考えるほうが、関係にとっても、からだにとってもいい結果につながります。
よくある疑問
いぼが消えたら、もうウイルスはいない?
いぼが取れても、周りにウイルスが残っていて再発することがあります。治療のあとも、医師の指示どおりに経過を見てもらってください。
男性がワクチンを受ける意味は?
厚生労働省のQ&Aにあるように、HPVは、陰茎がん、肛門がん、中咽頭がん、尖圭コンジローマなど、男性の病気の原因にもなります。自分のからだを守ることに加えて、パートナーへの感染を減らすことにもつながると考えられています。受けるかどうかは、費用も含めて医療機関で相談してください。
女性は、子宮頸がん検診も受けたほうがいい?
尖圭コンジローマとは別に、子宮頸がん検診は、女性にとって大切な検診です。自治体の検診の案内を確かめて、決められた間隔で受けてください。
最後に
尖圭コンジローマは、HPVによる性感染症で、痛みのないいぼができることが多い病気です。治療でいぼを取り除けますが、再発しやすいので、治療のあとも経過を見ることが大切です。HPVには、がんの原因になる型もあり、ワクチンで防げるものもあります。気になるいぼを見つけたら、早めに受診してください。
- 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「尖圭コンジローマ(詳細版)」 https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/condyloma-acuminatum/detail/index.html
- 厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
- MSD株式会社「HPVワクチン男性接種の定期接種化に関するステートメント」(2026年7月28日) https://www.msd.co.jp/news/product-news-20260728/
- 厚生労働省 HIV検査・相談「性感染症」 https://www.mhlw.go.jp/hivkensa/sti/