性教育の基本

ホーム › 性教育の基本

性教育どちらにも

【性教育の基本】梅毒とは?症状の出方と検査・治療

ロコ
ロコの結論
梅毒って、昔の病気というイメージがありますよね。でも日本では2021年ごろから報告が大きく増えていて、2023年は1万5千人を超えました。しこりや発疹が出ても、しばらくすると消えてしまうのが梅毒のこわいところ。消えても治ったわけではないので、気になることがあったら検査を受けてください。抗菌薬で治療できます。

ネットのニュースで「梅毒が過去最多」という見出しを見て、ドキッとしたことはありませんか。自分には関係ないと思いたいけれど、心当たりがまったくないとも言い切れない。性器や口のまわりに、痛くないできものができた気がする。そんなとき、何をどう考えればいいのか分からなくなりますよね。

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。治療法がある一方で、症状が出たり消えたりするために、気づかないまま進んでしまうことがある病気でもあります。このページでは、うつり方、症状の出方、検査と治療について、公的な情報をもとにまとめました。

いま、梅毒が増えている

大阪健康安全基盤研究所がまとめている全国の報告数を見ると、梅毒はここ数年で大きく増えています。

年 全国の報告数
2020年 5,871人
2021年 7,978人
2022年 13,221人
2023年 15,055人
2024年 14,829人
2025年 13,530人(速報)

2023年は、年間の報告数として過去最多になりました。そのあとも1万人を超える状態が続いています。政府広報オンラインでも、男性だけでなく女性の報告も多いこと、妊娠中の感染で赤ちゃんにうつる「先天梅毒」の報告があることが紹介されています。

うつり方

梅毒は、ほとんどが性的な接触でうつります。性器や肛門、口などの粘膜や皮膚が、菌を出している人の病変(できものなど)にふれることで感染します。

うつる可能性がある行為 ポイント
膣を使う性行為 コンドームで覆われていない部分からうつることもある
口を使う行為(オーラルセックス) 口やのどにも症状が出ることがある
肛門を使う行為 肛門のまわりにできものができることがある
キス 口の中に病変があるとうつることがある

コンドームは感染のリスクを下げますが、コンドームで覆われていない部分に病変があると、うつることがあります。

症状の出方

梅毒は、時期によって症状が変わります。そして、症状が出ても、治療をしないまま自然に消えることがあるのが大きな特徴です。

時期 目安 主な症状
第1期 感染から約3週間後 感染したところ(性器・肛門・口など)に、しこりやただれができる。足のつけ根のリンパ節がはれることもある。痛みやかゆみがないことが多い
第2期 第1期から1〜3か月ほど後 手のひら・足の裏・からだ全体に、赤い発疹が出る。数週間〜数か月で消える
潜伏期 何年も 症状がないまま、病気は進んでいる
晩期 数年〜数十年後 心臓や血管、脳や神経などに影響が出ることがある

第1期のしこりは痛くないことが多く、数週間で消えてしまいます。第2期の発疹も、かゆみがないことが多く、やはり消えていきます。だから「治った」と思ってしまうんです。でも東京都の解説にあるように、消えたあとも病気は進んでいることがあります。

ほかの病気と間違えやすい

梅毒の症状は、見た目だけでは、ほかの病気と区別がつきにくいことがあります。第1期のただれはヘルペスや傷と、第2期の発疹は湿疹やアレルギーと思われることもあります。

だから、皮膚科などを受診するときは、「心配な性行為があった」「梅毒の検査もしてほしい」と自分から伝えてください。言いにくいかもしれませんが、医師にとっては診断の大事な手がかりになります。伝えずに、発疹の薬だけもらって終わってしまうと、見逃されてしまうおそれがあります。

東京都の解説では、検査は、感染したと思われるときから4週間以上たってから受けることが必要とされています。それより早いと、感染していても検査で分からないことがあるからです。

こんなとき 考え方
性器や口に、痛くないしこり・ただれができた 消えても、検査を受ける
手のひらや足の裏に、発疹が出た 皮膚科などで、梅毒の可能性も伝えて相談する
パートナーが梅毒と分かった 症状がなくても検査を受ける
心配な性行為があった 4週間以上たってから検査を受ける

検査は血液検査です。保健所では、無料・匿名で検査を受けられるところが多くあります。厚生労働省の「性感染症検査・相談マップ」で、近くの検査場所を探せます。医療機関なら、皮膚科・泌尿器科・婦人科・性感染症を扱う内科などで相談できます。

治療

梅毒は、ペニシリンなどの抗菌薬で治療します。飲み薬のほか、注射の薬を使うこともあります。

ただし、東京都の解説にあるとおり、抗菌薬で菌をなくすことはできても、すでに臓器などに起きてしまった障害を元に戻すことはできません。だからこそ、早く見つけて、早く治療することが大切なんです。

治療のときのポイント 理由
医師の指示どおりに治療を続ける 自己判断でやめると、治療が不十分になることがある
治療が終わるまで性行為を控える パートナーにうつさないため
治療後も、決められた時期に検査を受ける 治療がうまくいったかを確かめる
パートナーも検査・治療を受ける うつし合いを防ぐ

妊娠と梅毒

妊娠中に梅毒にかかっていると、おなかの赤ちゃんにうつることがあります。これを先天梅毒といいます。赤ちゃんに発疹や骨の異常などが出ることがあり、政府広報オンラインでも注意が呼びかけられています。

妊婦健診では梅毒の検査が行われるのが一般的です。妊娠中に分かった場合も、治療を受けることで赤ちゃんへの影響を減らすことが目指されます。妊娠を考えているなら、その前に2人で検査を受けておくと安心です。

一度治っても、またかかる

梅毒は、一度治ったら二度とかからない、という病気ではありません。政府広報オンラインでも、治ったあとに予防をしていなければ、また感染するおそれがあると注意されています。治療が終わったあとも、コンドームを使う、パートナーが変わったら検査を受ける、といった予防を続けてください。

パートナーに伝えるとき

梅毒と分かったら、パートナーにも伝えて、検査を受けてもらう必要があります。東京都の解説でも、パートナーと一緒に完全に治すことがすすめられています。

「いつ、誰からうつったのか」を責め合うと話が進みません。梅毒は症状が出ないまま長くひそんでいることもあるので、うつった時期ははっきりしないことが多いんです。2人のからだを守るための話として、検査をお願いしてみてください。

よくある疑問

痛くないできものでも、梅毒のことがある?

あります。第1期のしこりは、痛みもかゆみもないことが多いんです。痛くないから大丈夫、とは言えません。

発疹が消えたら、もう治った?

治ったとは限りません。症状が消えても、病気が進んでいることがあります。検査を受けて確かめてください。

保健所の検査と、病院の検査はどう違う?

保健所の検査は、無料・匿名で受けられるところが多い一方、日にちや時間が決まっていることがあります。症状があるなら、診察から治療まで進める医療機関のほうが早く進みます。症状がなく、まず確かめたいなら保健所、症状があるなら医療機関、と考えると選びやすいです。

コンドームを使っていればうつらない?

コンドームはリスクを下げますが、覆われていない部分に病変があるとうつることがあります。気になることがあれば、検査を受けてください。

最後に

梅毒は、ここ数年で大きく増えている性感染症です。痛くないしこりや発疹が出ても、消えてしまうことがあるので、「消えたから大丈夫」とは言えません。心配な性行為から4週間以上たったら、保健所や医療機関で検査を。抗菌薬で治療でき、パートナーと一緒に治すことが大切です。

出典

関連する記事

▶ 性教育の基本のTOPに戻る