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【年代・ライフステージ】親やパートナーの介護と性:性的な言動にどう向き合う?

ロコ
ロコの結論
介護をしていると、親やパートナーの性的な言動に戸惑うことがありますよね。介護される人にも性の気持ちはありますし、認知症などの病気の症状として出ていることもあるんです。ひとりで抱えずに、主治医やケアマネジャーに相談してください。介護する側がいやな思いをしたときも、我慢しなくていいんです。

施設に面会に行ったら、父がスタッフの女性に性的なことを言っていたと聞かされた。自宅で介護している夫が、入浴の手伝いのときに急にからだを求めてくる。母が、デイサービスで知り合った男性の話ばかりするようになった。介護の場面で性のことに向き合うのは、家族にとって思いもよらないことですよね。

驚いたり、恥ずかしくなったり、腹が立ったり。どの気持ちも、介護する人によくある反応です。このページでは、介護と性について、知っておくと少し落ち着いて考えられることをまとめました。

介護される人にも、性の気持ちはある

年をとっても、介護が必要になっても、人を好きになる気持ちや、ふれられたい気持ちが無くなるとは限りません。中高年の性と介護を長く研究してきた専門家は、施設での利用者の性的な言動を、心の内側にある欲求の表れとして理解して対応すること、利用者どうしの恋愛は本人の暮らしの質を大事にしながら周りと調整することを提言しています。

よくある姿 背景にあり得ること
施設や通いの場で、気になる人ができる 人とのつながり・ときめきを求める気持ち
手を握りたがる・そばにいたがる 安心したい、さびしい
昔の恋人や配偶者の話をくり返す 思い出の中の自分を確かめたい
性的な冗談が増える 気持ちのブレーキがききにくくなっていることも

家族としては「いい年をして」と思ってしまうこともあるかもしれません。でも、恋をする気持ちやぬくもりを求める気持ちそのものは、責めるものではありません。困るのは、相手が望んでいない言動になったときです。

病気の症状として出ていることがある

性的な言動が急に増えたときは、性格やいやらしさだけで説明できないことがあります。認知症などの病気では、気持ちのブレーキがききにくくなり、ふだんならしない言動が出ることがあるんです。厚生労働省の事業でまとめられた介護現場の事例集でも、認知症の行動・心理症状のような病気や障害による言動は、ハラスメントとは分けて考え、医師の評価をもとに、ケアマネジャーや医師と連携して対応する、とされています。

気づいたこと まずすること
前は無かった性的な言動が増えた 主治医に、いつから・どんな場面でかを伝える
人前で服を脱ぐ・性器をさわる 責めずに場所を移し、主治医とケアマネジャーに相談
夜中に家族のからだを求める 介護する人がひとりで対応しない。相談して介護の形を見直す
飲み始めた薬のあとで変わった 処方した医師か薬剤師に伝える

病気の症状だとしても、言われた人・さわられた人がいやな思いをしたことは変わりません。「病気だから仕方ない」で終わらせず、「病気かもしれないから、専門の人と一緒に対応する」と考えてください。

本人に伝えるとき

避けたい言い方 言い換えの例
「いやらしい」「恥ずかしい人」 「それはやめてほしいな」
長い説教 短く、その場で、はっきり
人前で叱る ふたりきりの場所で落ち着いて

認知症がある場合、理由を長く説明しても伝わりにくいことがあります。短く伝えて、話題や場所を変える。手が空いてさびしそうなときは、別のこと(散歩・音楽・手を使う作業)に誘う。そういう工夫を、ケアマネジャーや施設の人と一緒に考えていけます。

施設で起きたとき

施設から「お父さまが職員に性的なことを」と連絡が来ると、家族は申し訳なさでいっぱいになりますよね。

家族ができること 中身
事実を聞く いつ・どこで・どんな言動か
主治医に伝える 病気や薬の影響がないかを見てもらう
施設と一緒に対応を決める 同じ性別の職員が介助する、など
本人の気持ちも伝える さびしさ・不安など、家族が知っていること

施設の職員が被害を受けていることもあります。家族が謝って終わりではなく、職員を守る手立てを一緒に考えることが、結果として本人のケアを続けることにつながります。

施設で恋愛が始まったとき

施設やデイサービスで、親に恋人ができることもあります。お互いが望んでいて、どちらも嫌がっていないなら、大人どうしの関係です。ただ、どちらかに認知症があるときは、本当に同意しているのかが分かりにくくなります。気になるときは、施設の職員やケアマネジャーに相談して、本人たちの様子を一緒に見てもらってください。

介護する人が、性的な被害を受けたとき

在宅でパートナーや親を介護している人が、介護の最中にからだをさわられる、性行為を求められる、ということもあります。家族だから、病気だから、と我慢してしまいがちです。

  • 一度でもいやだと思ったら、ケアマネジャーや主治医に話してください
  • 入浴やトイレの介助を、訪問介護など外の人に頼む方法があります
  • 暴力をともなうとき、身の危険を感じるときは、警察に相談してください
  • 性的な被害のつらさは、ワンストップ支援センター(#8891)にも相談できます

介護する人が自分を守ることは、介護をやめることではありません。続けるために必要なことです。

介護する人が自分の気持ちを守るために

すること 中身
気持ちを言葉にする 驚いた・いやだった・悲しかった
介護を分ける 訪問介護・デイサービス・ショートステイ
自分の時間を持つ 休む日をつくる
同じ立場の人と話す 家族会・介護者の集まり

介護をしている人が、性的な言動に傷ついたことを話すのは、とても勇気がいります。でも、話すことで、介護の形を変える手立てが見つかることがあります。

よくある疑問

親の性の話を、きょうだいに相談しにくい

言いにくい話なので、まずケアマネジャーや主治医など、仕事として受け止めてくれる人に話すほうが楽なこともあります。きょうだいには「専門の人にこう言われた」と伝えると、話が感情的になりにくくなります。

パートナーの介護をしていて、自分の性欲はどうすればいい?

介護をしている側にも、性の気持ちはあります。相手と同じ形でふれあえなくなっても、手をつなぐ、となりで眠るなど、できる形を探す夫婦もいます。ひとりで満たすことも、後ろめたく思わなくていいんです。

介護される本人が、性のことで悩んでいたら

からだが思うように動かない、相手に迷惑をかけたくない、という悩みを抱えている人もいます。本人が話したそうなら、主治医や看護師に相談できることを伝えてください。

相談できるところ

悩み 相談先
性的な言動が急に増えた 主治医・もの忘れ外来
介護の形を見直したい ケアマネジャー・地域包括支援センター
施設での対応 施設の相談員・市区町村の介護保険の窓口
介護する人が性的な被害を受けた ワンストップ支援センター(#8891)・警察(#9110)

介護と性の悩みは、口に出しにくいぶん、ひとりで抱えこみやすいものです。言葉にしてもらえれば、専門の人は一緒に考えてくれます。

出典

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